松島の風景
今が旬!「松島のかき」
 平成16年12月


  松島湾の中部に位置する磯崎地区は、古くから半農、半漁を営んでいる人が多く、
  今でも漁業に携わっている人の大部分が、カキの養殖をしており、全国的にも有名な
  「松島産カキ」の産地として中心的な役割を担っています。
  宮城のカキ養殖は、今から300年以上も前に野々島の内海庄左衛門という人が、始めた
  といわれています。
、   
 
 「松島でカキの人工養殖に力を入れはじめたのは、明治
 35年頃からで、現在でも、湾内に多く見られる固定式の
 棚を組んだ垂下式になったのは、大正9年頃、磯崎の
 渋谷甚之丞が先頭になって行ったものである。」
 (私の曾祖父)
                    (松島町誌より一部抜粋)
カキ棚(垂下式)

  「松島産カキ」のシーズンは、10月〜3月頃までですが、年末を控えた今が“カキ剥き”の
  最盛期で、私の農業仲間やその家でも代々、カキ養殖を行っており、毎日、朝早くから
  カキの殻剥き作業に追われています。
  私の家でも、数年前までカキの養殖をしていたのですが、やめてから初めて磯崎地区に
  2年前に完成した「松島町漁業協同組合磯崎共同かき生産工場」(TEL 022-354-3230)
  を見に行ってきました。

工場のある磯島には、橋が架けられています
工場の向こうに大高森が見えました
橋の上から見た磯崎の町並み
振り返ってみると、昔の処理場が見えました
向こう側が観光客で賑わう松島地区
磯崎共同かき生産工場

  かき生産工場は、家からも見えるのですが、実際に真近でみると外観もさることながら
  新しい工場には、最新の洗浄設備や浄化殺菌設備が備えられ、昔のかき処理場で作業
  していた時とは比べものにならないくらいすごく立派です。

 養殖場から水揚げされたカキは、殻ごと機械で丸洗いされ、
 殻に付着している泥や海草などを取り除いた後は、殻を剥く
 時まで一晩、殺菌された海水の入った水槽に入れられ、カキ
 の胎内をきれいにします。
浄化殺菌水槽

  一晩、殺菌海水で浄化されたカキは、翌朝早く熟練された剥き子さん達の手で殻剥き
  され、剥き身を機械で洗浄した後、水切りをして11.5キロずつ専用の容器に詰められ
  出荷されます。

老若男女を問わずカキ剥き作業に励んでいます
  
 カキの殻剥き作業を撮っていたら、「沖からカキ取って来たから船から揚げるところも写して
 がいん」(写して行きなさい)と声をかけられたので、さっそく、パチリ!

カキ棚から機械で巻き上げられ、殻剥きし易いように
こなされたカキは、箱に入れて積んできます
船からクレーンを使って陸揚げされ、手前の
機械で殻ごと丸洗いします

  海のカキ棚から取ってくる作業からカキを出荷する作業に至るまで、何から何まで数年前
  までとは大違い、変わっていなかったのは、手作業で殻剥きすることと、カキ剥きしている
  人たちの人情だけでした。
  初めて工場に来たといっても、働いている皆さん顔なじみ、会う人会う人「どうしたの?」と
  声をかけてもらい、何だか仕事の邪魔をしに行ったみたいでした。  

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 カキは、「海のミルク」と呼ばれるほど、栄養タップリ
 の健康食品です。
 松島湾のカキは、小ぶりで身が引き締まっているのが
 特徴で、殻焼きやカキ鍋、カキフライの他、何といっても
 生で食べるのが一番です。
松島産生かき


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『おいらの田んぼ』  澁谷 啓
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